レザークラフトを始めよう!
上の作品はミンネのsoyokaze`s galleryで見ることができます。
🔳道具をそろえよう!
※道具類はメーカー(協進エル・クラフト社・SEIWA)のものを選びましょう。ネットで安く出ている物は、すぐ切れ味が悪くなったり、刃先が折れたり曲がったりします。ネット通販(レザーマニア・ばれっと・フェニックス)なら道具や皮革が一通りそろいます。
🔳裁断に必要な道具
チャコペンは線を引くのに使います。鉛筆タイプでもフェルトタイプでも水で消せるものが便利です。
カッターは市販のもので大丈夫です。
革包丁は必須ではありませんが、カッターではカットしにくいヘリを薄くカットしたいときに便利。
定規は金具の物か金具の付いた物が便利。金具がないと定規本体を切ってしまうことがあります。
カッターマットは表裏異なる色のものがお奨め。マットと皮革が同系色だと端が見にくく切り落とすときに不便。
赤いカッターの下が革包丁。その下が金属の定規
🔳革同士を接着するのに必要な接着剤
サイビノールは水溶性の接着剤
Gクリアは100均などでも売っている接着剤
🔳穴をあける道具
目打ちは菱目打ちと平目打ちがあります。木槌は目打ちをたたくときに使います。菱目打ちは糸で縫うときに使います。平目打ちは革ひもで縫うときに使います。刃先の数により~本目打ちというような言い方をします。刃先が多いと早く穴があけられそうですが、8本目になるとかなり強く木槌でたたくか何度もたたくかしないといけないので、4~6本目ぐらいが使いやすいと思います。2本目は曲線に穴をあけるのに必須です。1本目や菱切りもあると便利です。
🔳革を縫う道具
縫い針には縫い糸に使うものと革ひもに使うものがあります。
手縫い糸にはいろいろな種類の糸がありますが、ビニモが一番使いやすく丈夫です。太さは穴の大きさに合わせて選びます。細すぎると穴が目立ってかっこが悪いです。太すぎると穴を通すのがたいへんです。
上から平目打ち2本目。2番目が菱目打ち2本目。3番目が菱目打ち4本目。4番目が平目打ち5本目。5番目が平目打ち1本目。下から3番目が菱切り。下から2番目が丸切り。一番下が針と糸。
🔳革を留める道具
金具は初めはバネホックがあればよいでしょう。おいおいいろいろな金具があることがわかってきます。それからそろえても遅くないです。
うち具はホックを固定するための道具です。ホックによって使う道具が異なりますので、ホックにあったうち具を用意します。バネホックならばバネホック打ち具を用意します。ホックの大きさによっても異なりますのでホックの大きさにあったうち具を用意しましょう。
万能打ち台はうち具を使うときに下に敷く台です。
🔳革を磨く道具
トコフィニッシュ・トコノールは革の裏(トコ面)やコバを磨くの使う処理剤
ガラス板(トコ磨き専用)はトコノールを塗布したところを磨く道具
🔳皮革
革のなめし方にはクロム鞣しとタンニン鞣しがあります。牛革・ヤギ革・豚革・羊革・ウマ革などの種類がありますが、初めは牛革が無難でしょう。
クロム鞣しの革はトコ面やコバ面が磨きにくいですが、吟面(おもて面)はきずがつきにくく丈夫です
タンニン鞣しの革はトコ面やコバ面をきれいに磨くことができますが、吟面は傷がつきやすくあまり丈夫ではありません。エイジング(経年変化)を楽しむことができます。ヌメ革と呼ばれています。
はじめは、A4ぐらいの大きさが何枚か入っている端革のセットを購入するのも良い方法ではないでしょうか。
🔳入門用のレザークラフトキット
これだけのあれば、手縫いは一通りできます。
上段右から順に
1 フェルト‥ゴム板の下に敷きます。
2 ゴム板‥目打ちで革に穴をあけるときに下に敷きます。
3 ジラコヘラ‥接着剤を塗るときに使います。
4 ヘラ付きヘリ磨き‥ヘラ部分はトコ面を磨くのに使います。半円の部分はヘリから3mmの線を引いたりコバを磨くのに使います。
5 手縫いロウビキ糸‥ふつう糸にロウを引いてから使いますが、これは初めからロウが塗ってあるので、そのまま使えます。
6 サイビノール‥革と革を接着する接着剤です。
7 トコフィニッシュ‥トコ面やコバを磨くときに使います。トコノールよりさらっとしています。
真ん中にあるのは右から
8 2本ヒシ目打ち(2mm幅)‥革に糸を通すための穴をあけます。曲線に使うことが多いです。
9 4本ヒシ目打ち(2mm幅)‥革に糸を通すための穴をあけます。直線に使います。
下段右から
10 木槌‥目打ちをたたくときに使います。
11 サンドスティック‥ヘリを荒らすときに使うヤスリです。トコフィニッシュやトコノールが塗ってあると接着剤が付きにくいのでこれで接着剤を塗るところだけ荒らします。
12 丸ギリ‥穴をあけたり広げたりするときに使います。
13 ステッチンググルーバー‥溝を切るときに使います。
14 へり落とし‥ヘリを丸く落とすのに使います。
ゴム板の上にあるのは
15 手縫い針‥糸を通して使います。
左にある本は
16 ガイドブック
🔳革を準備しよう。
A4サイズ以上の革を準備しましょう。厚さは1.0~1.5mmぐらいが扱いやすいでしょう。好みの厚さのものを探すか、漉き加工サービスを利用して好みの厚さに漉いてもらうかしましょう。小さい革は漉いてもらえないことが多いですが、フェニックスなら漉いてもらえるものがあるようです。レザーマニア・ぱれっと・フェニックスどちらでも革もハンドソーイングセットも手に入ります。
🔳制作に取り掛かろう
道具がそろったら制作にかかりましょう。幅が5センチぐらいのペンケースが作りやすいでしょう。まずは型紙を作ることをお奨めします。ここではエイジングしかけている1.2mm厚の生成りのヌメ革を使用しました。
革が大きいときは、型紙を充てて必要な大きさだけ切り出します。ここではトコ面を処理剤を塗って磨いた後で裁断しています。裁断してから磨く方法もありますが、柔らかい革だとトコ面を磨くと伸びてサイズが変わることがあります。処理剤はヘラや手でまんべんなく伸ばして塗り、半乾きになったらへら付きヘリ磨きなどでテカリが出るまで磨きます。小さなガラス瓶のそこで磨くこともできます。
処理剤を塗ったところは接着剤が付きにくいので、端から3mm程度の線を引いて(へら付きヘリ磨きの丸い部分を使います)、端からヤスリでそこまで荒らします。荒らした所に右の画像の白いヘラで両パーツに接着剤を塗り接着します。帯も接着します。はみ出した接着剤は布で拭き取ります。ティッシュで拭き取るのはNGです。接着剤にティッシュがついて面倒なことになります。角に1円玉をあてて切り落とし線を描きます。彫刻刀(丸刀)があれば、その線のところで押し切りします。なければカッターで慎重に切り落とします。
角の穴をきれいに揃えるため、予め目打ちを軽く押して後をつけています。左右の角が揃わないときは穴の位置を調整します。穴を空ける位置が決まったら木槌で目打ちをたたいて穴を空けていきます。穴を空けるときは、革の下にゴム板を敷きその下にフェルトを敷いておきましょう。
【ここからは糸の通し方と針の通し方についての説明です】 縫っているのはペンケースではありません。糸も縫う個所もわかりやすくするため短めにしています。
針に糸を通しただけではすぐ抜けてしまうので、抜けないような処理をします。画像のように引き出した糸に3か所針を通します。3か所とも針の根元よりさらに下に引きます。レザークラフトでは針を2本使って縫っていきます。糸の両端が⑥のようになれば処理の完了です。
1つ目の穴に針を通す。穴から2本の針までの長さが同じになるようにする。縫い目をきれいに出すには針を刺す順番や場所が重要です。守らないとちぐはぐな縫い目になります。⑧のように2番目の穴に下から糸を通します。普通に通してOK。⑨が重要です。もう一方の針を2番目の穴の左下に上から糸を通します。この糸と交錯しないように先ほど引き出した糸は右上に置いておきます。⑩通した糸を下にひきます。この時下側の糸は左下に、上側の糸は右上に同時に引いて締めます。強く締め過ぎると革が波打ったりしますので注意が必要です。後は3つ目の穴以降も⑧~⑩までの繰り返しです。この手順通りに縫えばきれいな縫い目になります。
【ここまでが糸の通し方と針の通し方の説明になります】
🔳ここからペンケースの作製に戻ります。
用意する糸の長さは、縫う長さの4倍+20cmです。糸縫いの最後は2~3目返します。返したら右の画像のように糸を丸く少しだけ残します。この内側にサイビノールを楊枝などにほんの少し付けて丸くなっている所の内側に塗ります。もう一方も同様にサイビノールを塗って、両方の糸を引いてぎりぎりのところで糸を切ります。または、引いてから穴に楊枝でサイビノールを埋め込むという方法もあります。そのあと糸を切ります。ビニモの糸ならば2~3mm残してライターであぶる方法もあります。あぶったところは黒くなりますので注意しましょう。
🔳コバ磨き
ヘリ落としでヘリを落として、ヤスリをかけたトコノールを塗って、そのあと布で磨きました。へら付きヘリ磨きで磨くこともできます。トコフィニッシュやトコノールは綿棒や筆で塗るのが良いでしょう。布はTシャツの着なくなったものを適当な大きさに切って使いましょう。